2008年10月18日

熊切圭介 写真展開催のお知らせ

2008年10月16日よりキヤノンギャラリー銀座にて「カオハガンからの便り」展が開催されます。

カオハガン島は、フィリピンのセブ島の南10キロの所にある周囲2キロ、面積でいえば東京ドームほどの小さな島です。ココ椰子に覆われた美しいサンゴ礁の海と白い砂浜に囲まれた島には、住民が約500人います。小さな小学校と教会、10軒ほどの駄菓子屋風の店があるだけで、スーパーは勿論コンビニもありません。ガスや水道も無く、7年前まで電気もありませんでした。島民は小魚や貝を獲り、干しなまこ、ウニ、貝細工などを売って生計の足しにしていますが、近年はキルト作りが盛んになり収入も少し増えてきました。とはいってもほとんど自給自足に近い生活をしています。

私の友人、崎山克彦さんが、30年間のサラリーマン生活に区切りをつけ、退職金でカオハガン島を買い、夫婦で移り住んでから17年近くなります。崎山さんに誘われて島を訪れて以来、自然のサイクルに合わせて、物質的に貧しくとも心豊かに和やかにくらしている人々の姿に魅せられ、10数年間にわたって写真を撮り続けてきました。表面的な豊かさに心奪われ人間として生きる方向性を見失いつつある私達に、カオハガン島は様々な示唆を与えてくれます。

この写真展は銀座では10月22日まで、その後キヤノンギャラリー札幌、名古屋、梅田を巡回致します。是非、ご覧下さい。

キヤノンギャラリー銀座

熊切圭介